今更かよ!なのですが、ローンチ6のインプレッションです。だって、既にローンチ7が発売されてしまっていますよね。
 
 ブルックスのシューズでベスト3足を選ぶとしたら、まず始めにローンチが来ます。次にラベナとGTSアドレナリンですかね(次回、同じ事を言っているかは解りませんが)。それぐらいローンチはお気に入りです。ローンチ5は2足履き潰しました。汗と涙と思い出が詰まっています(笑)。

 1つ前の型、ローンチ5の特徴は、とにかくミッドソールの跳ね返りが心地よい。そこそこのクッション性があるにも関わらず、反応がクイックでそこそこ跳ねてくれる。ソール全体の屈曲が柔らかく、何となく鍛えられている感がする。アッパーのニット素材は通気性が良く、夏は遠慮なくゴシゴシ洗えました。ロードもトラックもクロスカントリーもフィールドを選ばない。LSDにこそ不向きでしたが、それ以外は、ほぼ万能でした。1つ前の型のローンチ5のあまり良くない点は、履き口パッドがけっこうゴツくて、そこまでゴージャスでなくても良かった。これが洗濯時の乾きに微妙に影響。アッパーのニットがゆるくてホールド感にやや欠けてた。と、弱点らしき弱点もなく、ユーザーが求めている要所はきっちり抑えていると言う、かなりの完成度の高いシューズでした。


 ローンチ6と5を比較してみてアップデートされた点を言うと、肝心なミッドソールの素材、跳ね返り、クッションは、ほぼ同じです。完成度が高すぎていじりようが無いのだと思います。アッパーに関しては、かなり大きく変更になりました。今まではニットの伸縮性が強かったので、良く言うと靴下のようなフィット感がありましたが、悪く言えばけっこう前後左右の踏ん張りが効かない頼りなさが無いわけでもない。今回のローンチ6に関しては、ラベナ10のアッパー素材にかなり似ていて、何と呼ぶのか解りませんが、通気性は維持しつつ、それほど伸び縮みしない素材なので、ホールド感が向上しました。実はこの部分、かなりポイントが高くて、坂ダッシュとかで踏ん張る際に、アッパーが緩すぎると力が漏れてしまうと言うか、パワーが逃げる感じがしていたのですが、今回のアップデートでパワーロスがかなり抑えられていると思われます。またシューレースもブルックスの中では唯一、あまり伸縮性の無い、ちょっと時代を逆行している感はありますが、今までに見た事の無い素材を使用しており、これもまた固く引き締まった印象を助長しています。ローンチ6のアッパー素材と言い、ラベナ10の素材と言い、私はかなり気に入っています。
 
 尚、ローンチ6に関して言うと、たぶん一番詳しいであろう分析結果を見つけましたので、参考にしてみてください(リンク)。英語ですけど。その中で一つ面白い事を言っているのは、ローンチだけが唯一、ブルックスの中でおよそ50kmの慣らし運転が必要で、それ以降ようやく収まってくる。と申しております。へ~!!


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 重量は28cmの実測値で264グラム。ラベナ10が270グラムですから、ちょうどガイドサポートの重量分だけ違うと言った感じでしょうか。ブルックスの中では、ハイペリオン、アステリアを除外すると最も軽い部類に入ります。しかし、このガイドサポートが有ると無いとでは、履き心地に大きな違いがあります。その違いは、ミッドソールの屈曲の柔らかさです。クッションの柔らかさは同じです。要は曲がりやすい。ベアフットランニングシューズのように素直に足裏に沿って曲がってきます。

 しかし、この柔らかい屈曲は何なのでしょうか?アウトソールの素材と形状に秘密があるのでしょうか?ちなみに、この2つは、上がローンチ6、下がラベナ10のアウトソールですが、ブルックスはこのアウトソールのパターンからもカテゴリー分けと言うか、分類分けが可能になります。ローンチ、ラベナの兄弟はこの数字の8の字形状が特徴です。

ローンチ6

ラベナ10


上の2つに比べて、スピード志向から、ジョギング志向に移るとソール形状も変わります。
上から、ゴースト12、GTSアドレナリン20、グリセリン16です。ヒール部分がしっかりして全体的に重厚になっています。

ゴースト12

アドレナリンGTS20

グリセリン16


 ミッドソールの素材が「アンプ」になると、一昔前の近未来チックと言うか、様相がガラっと変わってきます。これら2つは、ベドラムと、レイビテイト2です。これまでの流れとは明らかに異なるパターンと素材で、素材にしっとり感が出ています。実際の走りもまた、しっとり感が出ているのが不思議です。

ベドラム

レビ2


 ついでなので、どんどんいっちゃいますと、この2つは、トレーニングジムでの使用や、ちょっと走りのようなライトユース用と言われる、フロー7とケイデンスのアウトソールです。ちなみに、たかがフロー、たかがケイデンスと侮るなかれ、この2足のポテンシャルはなかなかのものです。私がゴースト10を履いて、ビヨ~~ンと糸ひく跳ね返りに驚いたのと同じ跳ね方をします。本気で走ると速いですよ。

フロー7

ケイデンス7








さて、話はややそれましたが、これらの中でも、ローンチの屈曲の柔らかさは突出して柔らかい。何故なのか?そこで「ハっと」気が付いたのは、アシックスやアディダスのランニングシューズで良く見る、プラスチックの「金色?胴色?」素材が無いのに気が付きました。下の写真のようなものです。ちなみに下のシューズは日本を代表する逸品、アシックスのゲルカヤノです。

ゲルカヤノ

 これは、調べて今日解ったのですが、「シャンク」と言う名前らしいです。ゴルファーにとっては恐ろしい名前ですね(笑)。これは何故あるかと言うと、ねじれ防止(プロネーションサポート)であったり、意図的に屈曲点を出したり、いくつかの理由があるみたいです。ウォーキングシューズなどは、これが金属製で長かったりするみたいですね。またトレランシューズのシャンクですが、イノヴェイトのシャンクは、かなり凝った作りになっている様子です(リンク)

 シャンクと言うのは面白いですね~。ナイキのフリーランには当然、こんなの無いのでしょうね。またシャンク入りのワラーチーサンダルなんか作ったらどうなるのでしょうか? アシックスのターサーシリーズや、アディダスの高速シューズなんかも、ばっちりプラスチック素材が見えますので、ねじれ防止だけではなく、スピードアップの効果もあるみたいですね。今になってやっと解ったのは、ランニングシューズと、トレランシューズの一番の違いは、このシャンクだったんですね!!!なるほど。深く納得できました。クネクネソールが曲がるランニングシューズで山の中なんか走りたくもないですよね(笑)。

 なんでも、100キロウォーキングなどの場合、ランニングシューズで歩くと、このシャンクの短さから足に異常をきたす確率が高まるそうです。そう考えると、シャンクの長さ、幅、形状によって、スピードなのか、ジョグなのか、ロングなのか、その目的が色々と変わってきそうですね。

 では、ブルックスはどうなっているのでしょうか?資料が無いので良く解りません(爆)!でもフローには、シャンクは入ってないみたいですね。それゆえ、メーカー推奨はチョイ走りなのでしょうか。また、アンプソールのレビテイト、ベドラム、これはどうなんでしょうか?ベドラムは、ガイドサポートがついていますから、まさにそれこそが内蔵タイプのシャンクでしょうね。では、レビテイトは?謎は深まるばかりです。

 では、ガイドサポートのある、ラベナ、GTSアドレナリンには内蔵式のシャンクが付いていて、ローンチ、グリセリンには?ゴーストには?

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 これ、ゴースト12GTXなんですけど、シャンク、絶対入ってないですよね??!!なんででしょう?ゴーストはミッドソールでヒール外側半分にLOFTと言う違う素材をくっつけてるので、その接着部分が硬くなる故、必要無しと判断したのでしょうか?深読みしすぎですかね(笑)!!とにかく、そういうのが気になる人は、シャンクの入ったガイドサポートタイプを買って下さい!と言う事なんでしょうね。



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(2世代前のGTSには、パッと見で良く解るシャンクがあったんですね~)




 ナイキにしろ、ニューバランスにしろ、例のBorn to Runの爆発的な人気以降に、ベアフットを意識したシューズがいくつか出て、その流れがあったじゃないですか。訳わからずビギナーの時に買ったニュバランスのM1500なんて、ベロンベロンでしたから。ブルックスもわずかながらその流れを引っ張ってきているでしょうか?フローなんかまさにソレですし。そのような頭でっかちの理屈を抜きにしても、ローンチの足裏に張り付くような曲がりは、わたしは好きだなぁ~。