第22回 ニューリバーロードレース in 八千代 Sオリンピックス アスリートの伴走として参加してきました。
 
 SO(Sオリンピックス)への参加は今日が3回目で、今年の11月16日に通常プログラムに参加したのがはじめて。12月7日の昨日は、コーチクリニックに参加させて頂きました。このコーチクリニックがまた、遠方より大変素晴らしい講師の先生が2名来られて、SOの充実した組織力に感銘を受ける事となるのですが、その話はまたの機会に(本当に素晴らしかったので)。そして今日が本番と言うか、大会の伴走です。視覚障害者の伴走とは違って、伴走ロープを握る訳ではなく、あくまでコースを外れないようにガイド役と、安全確保が目的です。

 さて、何故私がSOに関わっていこうかと思ったのは、11月16日の初回の体験がものすごく好印象だったからです。正確な年齢は解りませんが、SO千葉、佐倉の陸上のアスリートは全員若いです。学生ぐらいの若さです。彼らがひたむきに一生懸命グランドを走っている姿が、なんと気持ちの良い若者達なのかと。その若者たちの姿を見て胸の中がスカっとしました。一発で惚れてしまった訳です。

 SO(Sオリンピックス)??たぶん、ほとんどの方は耳にした事が無い単語と思われますが、ダウン症や自閉症、発達障がいなどで知的に障がいのある人たちにオリンピック競技に準じたスポーツトレーニングとその成果の発表の場である協議会を年間を通じ提供している国際的なスポーツ組織です。

 今朝は少し寝不足でしたが、全て順調、予定通りに家を出て、バイクのキーをONにしてセルを回すも、カチカチカチと僅かな通電はあるものの、セルは全く回りません。焦りましたね。前回乗ったのが1ヶ月前ぐらいで、その時もバッテリー上がって押しがけしたんですよね。今朝は寒くて車のフロントガラスなんかは真っ白、なんか嫌な予感がしたのですが、私の家は小高い丘の上と言うか坂の上にありまして、押しがけは一発勝負なんですよね。CB1300スーパーボルドール、270kgありますので、270キロですからね(爆)!はい、見事に失敗しました(爆)!セカンド入れればよいのに、焦って1速に入れて、かすりもしませんでした。そして、坂の下の平坦な道に降りて、270キロを押すダッシュを30メートルぐらい1往復するも、かかるわけがなく、降参ですわ。おまけに急な猛烈ダッシュで太ももが肉離れっぽくなってしまい、バイクは公園の脇にとりあえず置いて、車で行きました。

 絶対に駐車場は満車で、どこにも停める場所なんか無いんだろうな~って、おい!ガラガラかよ!八千代市の公民館・図書館前、有料駐車場ってだけで、ガラガラだったとは!!最初っから車でくれば良かった。あの苦労は何だったのか?涙。


 集合場所の体育館には、時間通りに間に合いました。今回伴走するT君は、事前情報で10kmは50~55分と言うアバウト情報と、5kmは24:50で走ると言う情報を頂いておりました。今朝、T君のお母さんに、注意する点を幾つか教えて頂きまして、その内容は
・前半は笑顔で、後半は真剣な顔つきになる。それが苦しくなってきたサインです。
・追いかけていく走り方なので、前をリードして伴走して欲しい
・最後の1キロ2キロで苦しくなると、手を握ってくるので、そしたら少しつかず離れずの距離で先行して欲しい
そんな感じです。はい。了解しました。T君のお母さんは、5キロの場合はT君の伴走をしますので、なかなか走力のあるランナーでもあります。今回は10kmと言う事で、伴走の依頼をしたそうです。尚、私も参加した四街道ガス灯の5kmのタイムは23分台だそうです。

ん?  5キロ23分台?  10キロ、余裕で50分切れるんじゃん???

 と言う事で、通しで1キロ 4:55 - 5:00 のペースで49分台を狙う事にしました。
 八千代は、最初のすり鉢の坂の下りを飛ばさず、登りも無理をしなければ、あとは平たんなので、記録を狙えるコースです。お母さんに聞くと、八千代は既に5kmの部で9回参加しており、コースは頭の中に入っている。最初のすり鉢の坂の下りは、キロ4分で突っ込んでいく。と言うので「うわ、その坂さえ抑えられれば、あとは行ける」と直感的にそう思いました。

 スタートはT君、お母さん、私の3人でスタート、最初の1キロの入りは4:52と最高です。そして例のすり鉢の下りと登りの坂も見事に抑えて、2キロのラップは4:52、その後5キロまで 4:51, 4:57, 5:00と、まさに思い描いていた最高のペースで来ました。お母さんとは給水の打ち合わせもしていたので、T君には、「水を取るよ」、「水を取るよ」と伝えます。5キロの給水もうまくいき、私の足も徐々に軽くなってきて、さて、若者よ、これから100人ぐらい抜こうじゃないか!と振り返ると、


えっ? 力尽きちゃってるじゃん??? なんで?


え?いや~、参ったな。ぼ、ぼくはご両親になんて謝罪すればよいのだ?
T君、明らかに足が売り切れて、極端にペースが落ちています。
こ、これは、ご両親に申し開きのしようもないではないか。やってしまったか???
6キロ~8キロのペースが、5:32, 5:36 5:35、この間の1キロが長い長い。

どうも、体が疲れて走りに集中できなくなってきたと同時に、一緒にスタートしたお母さんが気になって気になってしょうがないらしく、後ろを振り返る頻度が増えてきました。間違いなくお母さんを探しています。今まで9回とも、お母さんと10キロではなく、5キロを走っていたので、今回は10キロなので、ちょうど5キロを終えて急激にスピードが落ちたのと、伴走のお母さんがいないので、たぶんパターンから外れた事の不安が出たのかと思います。



< 奇跡は起きる >

「大丈夫だよ。お母さんは後ろから来ているよ!」そういうと、振り返るのを辞めます。また後ろを振り返り始めて、「大丈夫だよ!お母さんはすぐ後ろを走ってるよ!」そんなやり取りを繰り返すうちに、T君の足が、完全に回復しました。驚きましたね。これが若さの力なのでしょうか?何が嬉しいって、これでご両親に顔を合わせられると思った、安堵と言うか、ほんとに救われましたね。T君、ラストの2キロを、4:56, 4:54の完全復活でスパートかけてフィニッシュしています。しかも、陸上競技場に入った時のスパートは本当にすさまじかった。全く追い付いていけないんですから。なので当然、トラックの中ではT君、ゴボウ抜きですわ。いいんだか悪いんだか、けっこう速いチームメイトまで抜いてしまって、「おいおい、そんな力、残ってたんかい(爆)!」

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結果は、T君、50:58で、10kmの自己ベスト更新、お母さんも自己ベストを大幅に更新。
いや~、この安堵感と、肩の荷が降りたホっとした感、半端ね~(笑)。
 

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こんなに楽しいマラソン大会は、生まれて初めてでした。
T君、お母さん、お父さん、ありがとうございました。

そして、帰り際に視覚障害の伴走をしているSさんがちょうど施設の職員の方とゴールして体育館に戻られる途中で、Sさんも自己ベストを更新されたようでした。